ご案内

  ガマの油売りの口上に、ガマを鏡の箱に閉じ込めておくと、周りに映った、おのれの姿の醜さに、タラーリ、タラーリと脂汗を流す。その油を煮詰めたのが「ガマの油」だ。傷に塗るとたちどころに癒える。と言うのがあった。そうして、ガマの油売りは自分の腕を日本刀で切って傷口に油を塗り、暫く抑えているとあ〜ら不思議、跡形も無く傷は治っている。
 春秋座の今回の試みは、ガマの変わりに人間を「鏡の部屋」に置いて、少しの言葉(石原吉郎,ベケット,宮沢賢治の詩や、中島みゆきの歌詞)と小道具、それに音楽を与えてみた。
 役者は、舞台という自意識を照らし出す鏡の部屋で、与えられた詩の言葉や、小道具を使ってどんな汗を流すのか?果たしてそれは観客にとって、薬となるか?毒となるか?…そんな試みです。
 日時によって、大崎美穂一人舞台と、渡辺裕右と濱本が少し絡むバージョンとがあります。どちらもそれぞれに印象が違います。二本の舞台を見比べて欲しいとも思います。そのため、ウンと観劇料は安く設定してありますし、美味しい珈琲もサービスします。